相続税の基礎控除は3000万円+(相続人の人数 ×600万円)です。つまり相続人が1人でも3600万円、妻と子ども2人が相続人であった場合であれば、相続の配分に関わらず4800万円までは、相続税はかかりません。生前相続税対策が必要な人も、必要でない人も、「生前贈与」をうまく使えば、「生きたお金の使い方」をするとことができます。それではまず、生前贈与の考え方をご紹介していきましょう。

まず、自分の使う分を確保する

まず、最低限、老後に必要な費用は必ず先に確保し、手を付けないようにしましょう。面倒を見てもらう約束で、家族に一括してお金を渡すのも避けた方が良いでしょう。家族の口約束は関係が崩れた瞬間に意味をなさなくなります。手伝ってもらう度ごと、または1月分まとめて、感謝の言葉と共にお礼を渡す方が、お互いに良い関係を維持できます。

老後の費用を計算してみよう

それでは、大体の生活費と公的年金の年額、個人年金の年額と期間を用意して、ご自身の老後の生活の収支について計算してみましょう。
A:公的年金年額×(100-今の年齢)+個人年金年額×支給期間+株式などの定期配当や貯蓄の利息
B:(毎月の生活費などの支出×12+毎年の定期支出)×(100-今の年齢)∔臨時費用
B-A=最低限、老後のために必要な貯え(マイナスになった場合は、その分が余る、つまり貯蓄できます)
毎年の定期支出には、車の任意保険や介護保険料など各種税金の年額、固定資産税などを入れます。
臨時費用には、概算でよいので、車の買い替えや家の修繕、家電の買い替えなども入れた額にしておきましょう。
100歳に近づくほど、レジャー費は少なくなりますが、その分医療費や介護費用などが掛かりますので、生活費は同じにして計算しています。
これが、最低限、老後に必要な額になります。仕事を続ける場合は、必要な額はもっと少なくなります。
夫婦2人の場合には、Aはそれぞれ計算し合計します。Bはどちらか1人が100歳になった時点以降の計算を別にして合計します。

子どもたちにはなるべく公平に

老後必要な資金を確保したら、残りは生前贈与などにあてられる財産と考えます。この時に、生命保険なども併せて計算して、特に子どもたちには公平に渡せるように配慮しましょう。孫の進学などですぐに資金が必要な子どもには生前贈与で渡し、他の子どもには生命保険の受取人になってもらっておくという方法もあります。

生前贈与なら、法定相続人でない人にも渡せる

遺産相続では、法定相続人以外の人が相続するとき相続税が少し割高になります。しかし、生前贈与は法定相続人以外の人に贈与しても贈与税の割合は変わりません。子どもを介さずに、孫に直接贈与することも可能です。また年間110万円以下の贈与であれば、贈与契約は必要ですが贈与税はかかりません。さらに、相互に扶養義務がある3親等以内であれば、生活費や教育費を援助することは贈与にもあたりません。